なぜプリプレグの樹脂含有率が重要なのか?
― 同じガラスクロスでも、樹脂の量で材料の性格が変わる ―
プリプレグを見るとき、厚さと並んで重要なのが樹脂含有率(Resin Content)です。なぜ同じガラスクロスでも樹脂量が変わると、積層後の厚さや電気特性が変わるのでしょうか。今回は、CCL設計の裏側を「樹脂の量」という切り口から見ていきます。
1.樹脂含有率とは?
樹脂含有率は、プリプレグの中で樹脂がどの程度を占めるかを見る考え方です。ガラスクロスと樹脂の比率が変われば、積層後の材料特性も変わります。
ガラスクロス量+樹脂量→プリプレグの構成→積層後の特性
2.なぜ積層後の厚さに関係するのか?
プリプレグは積層時に樹脂が流動し、硬化します。そのため、カタログ上のプリプレグ厚さをそのまま「最終的な絶縁層厚さ」と考えることはできません。積層条件や銅パターン、樹脂の流れ方なども関係します。
3.なぜ高速信号のDkにも関係するのか?
ガラスと樹脂では電気的な性質が異なります。したがって、樹脂の割合が変われば、複合材料として見た電気特性にも影響します。
「樹脂のDk」と「CCLのDk」は同じではない。
ガラスと樹脂の組み合わせを見ることが重要。
ガラスと樹脂の組み合わせを見ることが重要。
4.なぜ樹脂を増やせばいい、とはならないのか?
樹脂量を変えると、電気特性だけでなく、流動性、機械特性、寸法安定性、加工性などにも影響します。さらにガラスクロスのスタイルとの組み合わせもあります。
| 見る要素 | 樹脂含有率との関係 |
|---|---|
| 電気特性 | Dk・Dfなど複合材料の特性に影響 |
| 厚さ | 積層後の絶縁層厚さに関係 |
| 流動 | 積層時の樹脂の流れ方に関係 |
| 機械特性 | ガラスと樹脂の比率が影響 |
5.銅箔の「厚さ」と同じように数字だけ見ない
このサイトでは9μm銅箔について「数字だけではなく、その数字の後ろにある製造技術を見る」ことを扱いました。プリプレグの樹脂含有率も同じです。
「50%だから良い」「60%だから悪い」という単純な話ではなく、どのガラスクロスと、どの樹脂を、どの積層条件で使うのかが重要です。
6.CCLメーカーの設計力が見えるところ
CCLは銅箔・樹脂・ガラスクロスを組み合わせた複合材料です。だからメーカーの強みは、単に低Dkの樹脂を持っていることだけではなく、複数材料を安定して組み合わせ、狙った性能を量産で出せることにもあります。
まとめ
- 樹脂含有率はプリプレグの材料構成を見る重要な指標。
- 積層後の厚さや電気特性、流動性などに関係する。
- ガラスクロスと樹脂の組み合わせとして考える必要がある。
- 数字だけで良し悪しを判断せず、用途・工程とセットで見る。
- CCLメーカーの材料設計・量産技術を理解する入口になる。
平賀兼好の徒然メモ
電子材料は、単独の数字だけを見ると簡単に見えます。しかし実際には、材料・工程・回路・用途がつながっています。「なぜその性能が必要なのか」まで追うと、別々に見えていた記事が一本の線になります。
電子材料は、単独の数字だけを見ると簡単に見えます。しかし実際には、材料・工程・回路・用途がつながっています。「なぜその性能が必要なのか」まで追うと、別々に見えていた記事が一本の線になります。